名古屋 Ruby 会議 03 #nagoyark03 に参加して、スポンサー LT をやってきた。

カンファレンスは、いろいろな技術要素やテクニックのショウケースみたいで好きだ。
特に地域 Ruby 会議は、それぞれの地域の特色や雰囲気、主催するコミュニティの特長を活かした内容に仕上がっていることも相俟って、より魅力的に感じる。

今回の舞台は、なんと演芸場。名古屋 Ruby 会議 03 は、他では見たことのない珍しいセッティングや演出とともに、次々と演者…じゃなかったエンジニアの方々が日々の成果を披露していた。

個人的には、”Ruby で TensorFlow” と”Fight with growing data on Rails” が特に興味深かった。

TensorFlow はずっと前に名前を聞いた程度の認識だったけど、Ruby からでも使えるようになっているとは。(しかし @antimon2 さんご本人が講演中にお話していたが、「まだつらい」とのこと。)

機械学習ってなんだかハードルが高い印象だったけど、最初にデモを見せてもらったおかげもあって、ちょっと触ってみたいかも、と思わせてくれる内容だった。

@joker1007 くんによる “Fight with growing data on Rails” は実践に基づいて得られたありがたいお話がもりだくさん。肥大化するデータ群に対応するための手立てが段階別に提示されていた。私は大量データを扱った分析などには携わった経験がないけれど、それ以外でも役に立ちそうな珠玉の Tips がわかりやすく説明されていて、とても面白かった。

懇親会はもとより、深夜にまで及んだ二次会でもみな熱心に仕事や技術の談義をしていて、みんな本当にこの世界が好きなんだなあ、とこちらまで胸が熱くなった。

スポンサー LT をやった

さて。今回の参加の目的の半分は、”自分の勤め先(永和システムマネジメント)がどんな会社であるかを、その場にいる人たちに少しでも知ってもらうこと” だった。

というのは、永和が今回のイベントのスポンサーをやらせていただいたことから “スポンサー LT” という機会をもらっていたので、そこで私が永和システムマネジメントという会社について発表する、ということだ。

考えたこと

スポンサー LT というと、カンファレンスに行き慣れた方ならなんとなく思い浮かぶと思うが、それぞれの会社がどのような事業を扱っていて社員がどんなふうに働いているか、の概要を時間内(たいていは 5 分)で話すという流れになると思う。

たびたびカンファレンスなどでこういった会社案内を聴いていて思うが、私が行くような、Ruby や Rails やアジャイル関係のカンファレンスにわざわざ出向くような会社さんというのは、どこも同じように “素敵” なのだ。GitHub や Slack、自動化ツールなんかの使用はもはや当たり前。会社のしくみも社員の QOL を第一に考えられたものだし、福利厚生だって充実してる。(当然、我が永和もそういった “素敵” な会社のひとつだと思っている。)

だから、そういう “素敵” な会社だということは多分、聴く側の人たちも、敢えてこちらが発表せずとも暗黙的に理解しているんじゃないのか。だったらせっかくだし、それ以外のところ…私たちの会社ならではの、社員の間では当たり前だけどそうでない方には知られていないところを紹介すれば、より永和の魅力を感じてもらえるんじゃないか?―そう思ったことから、今回の “永和システムマネジメントの歴史譚” ができあがった。

「大須演芸場でやるんで、おもしろいことになりますよ。ぜひ来てください」

そういって @yadaita さんに誘ってもらったのは、2016 年 12 月初頭にあった RubyConf Taiwan 2016 の会場でのこと。

それから少し経って、永和から名古屋 Ruby 会議 03 に参加する人たちの中で「スポンサー LT 誰がやる?」という話題になる。そこで、「大須演芸場なら落語っぽくやったりしてみたい!わたしやります!」と勢いで立候補したのだった。

とはいえ落語は今までにテレビで少し見たことがある程度だった。そこで、YouTube を使ってプロの噺家さんの動画を見て勉強した。

中でも桂歌丸さんの「竹の水仙」がすごく好きになった。語り口調に温かみがあって素敵なのはもちろんだが、噺のサゲ(落語ではオチのことを「サゲ」と呼ぶんだって。)がなんとも心地良いのだ。すとんと抜けるような面白みがあって、「こんなふうなサゲを作れないかな」とずっと思っていた。

後に述べるさまざまな方からの協力を得ながら、なにをどう話すかが決まったのは開催 1 週間前。

それからは空き時間があればとにかくぶつぶつと口ずさんでいた。ふだんの LT では、Keynote の資料を見ながら書いてある文字を、気持ちと勢いで読むだけ!みたいなスタイルでやっていたので、「脚本の大筋を暗記して、さらに伝わりやすいように発声やスピードに気をつける」といった所業はもはや私にとってライトニングトークという枠を超えていた。

そして迎えた当日。

順番が来る少し前から直前まで楽屋で壁に向かってひとり練習していたのだが、それを見ていた @hfm さんから「緊張しすぎて神様にお祈りをしはじめたのかと思った」と後で打ち明けられ、思わず笑ってしまった。だいたいあってる…かもしれないな。

終わった後は安堵のあまり楽屋に倒れ込んだ。しばらく緊張が抜けなかったけれど、会う人会う人から「よかったよ!」と声をかけてもらえたおかげで、ああ、私ちゃんとできたんだな、ヘマしなかったんだな、という実感を持てた。

スペシャルサンクス

今回のたった 5 分間の噺のために、すごくたくさんの人たちに協力してもらった。

着物の用意や着付けのアドバイスをしてくれた。残念ながら当日は着物は着られなかったけど、とてもいい勉強になった。

ちなみに当日私が羽織っていたのは、亡くなった祖母の形見の大島紬のもの。ちゃんとお揃いの生地でできた着物もあるので、いつか着ていきたい。

アジャイル事業部の仲間

@koic さんには、東京支社ができる頃のエピソードなどをとても詳しく教えてもらった。それがなかったら今回の噺は作れなかったと思う。

@takkanm さん、@m_pixy さんには、おふたりが以前つとめたスポンサー LT での経験を踏まえて、どんな話をすればいいかアドバイスをしてもらった。「あなたがやりたいようにやってきてくれたらそれでいいよ」と言ってもらえたことが後々にも励みになった。

@htkymtks さんには、Agile Web Development with Rails 読書会をしていたころに書かれていたブログ記事をたくさん読ませてもらった。「ワンダと巨像」にもちょっと詳しくなれた。

@kakutani さん

デブサミ 2007 でのスライド、またその際のブログ記事などを参考にさせてもらった。その Ruby 愛と熱量に改めて感動するばかりだった。

また、噺中でも、永和のアジャイル事業部の基礎を作った重要人物として名前を挙げさせてもらった。

@5t111111

LT 開始 20 分前くらいに喫茶店に入ったとき、あまりに緊張して挙動不審になっていた私に「注目せずに聞いてるから声出して練習してみたら」と言ってくれた。

あのとき声に出したおかげでいっきに「あれ、いけそうかも!」という気持ちが大きくなり、安心できた。

名古屋 Ruby 会議 03 のスタッフのみなさま

終始とてもフレンドリーに接してくれて、雪の舞うような寒さの中でも気持ちはあたたかくなった。発表する場所を高座の下手側ではなくセンターにしたいとお願いしたときも、快く承諾してくれた。

また、終わった後も「お疲れ様でした!よかったですよ!」と明るく声をかけてくれた。ほんとに神様たちかと思った。

おわりに

スポンサー(の LT )というのはあくまでもカンファレンスの構成要素のごく一部でしかないのかもしれない。けど、この機会のおかげで 、なにより私自身が自分の勤め先のことを深く知ることができ、より愛着を抱くようになったのであえて詳細に記録した。

また、今回きっちりと準備しやり遂げたことで自分に自信が持てるようになったのも、思わぬ収穫だった。

この記事では自分がやった LT の件にフォーカスしているけれど、参加を通していろんな人と知り合えたこと、知見にあふれた体験談を講演という形でいくつも聴かせてもらえたことは言うまでもなく貴重な経験だったと思っている。

あの場所、あの場の人たちでなかったら作れなかった体験が、そこには確かにあった。関わってくれたすべての人へ、ありがとうございました。そして素晴らしいカンファレンスの企画を、どうもありがとうございました。