ヴィーガンに想いを馳せる。Morrissey から東京ベジフードフェスタへ。

ヴィーガンとは、「動物へ乱暴しないこと」を根本とし、衣食住あらゆるシーンにおいて動物由来のものを選択しない姿勢の人たちのことである。

はじめに言っておくと、わたしはヴィーガンではない。今までも、今も。

しかし、今は少なくともひとりで食事をとる 且つ 自分で食事の用意をするときは肉は口にしないようになった。

一方、他人とランチにでかけたり飲みに行ったりするときには、「わたしのアクションのせいでその場の人たちを驚かせたくない」という、思いやりなのかなんなのかわからない中途半端な動機から、今までどおりの食事をする。

どっちつかずとはいえど、なぜそんなふうに食に対する姿勢が変わったのか?そして、なぜいま突然ヴィーガンの話をするのか?(まして “肉を愛する Tokyu.rb” のメンバーであるわたしが?)

それは、@5t111111 が紹介してくれた、イギリスのロック・スター Morrissey(モリッシー)のライブを生で観たことがキッカケだった。

Morrissey を知るまで

あるとき @5t111111 と音楽の話をしていると、彼は「今度自分がこの世で一番好きなアーティストが来日する!次はいつ来日するかわからないからなんとしても行きたいと思ってるんだ」と言って興奮気味に Morrissey を紹介してくれた。そして話が進むうちに、なんとわたしもそのライブに連れて行ってもらえることになったのだ。

9 月 28 日、渋谷は Bunkamura オーチャードホール。2000 年代後半の邦ロックばかりを好んで聴いてきたわたしは、もしかして海外のアーティストのワンマンライブを観るのはこれが初めてかも?なんて思いつつ、普段観るようなライブとは明らかに違う会場の雰囲気にドキドキしていた。

ライブ当日に見たもの

Morrissey はヴィーガンらしく、過去に彼が所属していたバンドの作品でも屠畜文化を批判する内容のものがある。また、そういった主旨の発言やアクティビティもいくつもあったのだそうだ。

この日は会場内で「リアルファーを買わないで」「動物たちを苦しめたくないから、菜食になろう」といったパネル展示をしていた。会場案内では「カメラ、ペットボトル飲料、危険物、お肉は会場内に持ち込めません」というアナウンスが流れていたほどである。

それらを見聞きして、ステージが始まる前からわたしは彼の主義と信念の強さに心を揺さぶられていた(これ とかを見ると、海外では彼のその生き様はよく知られているんだなあと思う)。

その日のステージでも上記でふれた楽曲を演奏していたのだけど、演奏の直前、ステージ背後の大きなスクリーンいっぱいにビデオが流れた。家畜の屠殺の瞬間や機械的に搾乳・産卵をさせられるシーン、雛(ひよこ)たちがあたかもモノのように扱われ “処分” されていく様子が映されてゆく。淡々と、しかし、胸に強く迫るように。

いちおう @5t111111 にはあらかじめその楽曲のことも聞いていたし、「そういうのが彼のステージではあるからね」という話もされていたのだけど、実際に自分がそれを目の当たりにしたときにはあまりにも衝撃的で、ライブ後はスーパーマーケットの精肉コーナーの前を通るのがこわくなってしまったり、SNS で生肉の写真が流れてくると反射的に「痛そう」と思ってしまったりするようになった。(今はそこまで過敏ではないけど)

映像自体へのショックもさることながら、「食べるために育て、食べるために殺す」という事実におそらく生まれて初めて正面から向き合ったそのとき、Morrissey (をはじめとしたヴィーガンの人たち)の自覚的な姿勢と主張に興味がわいてきた。

菜食と肉食のどっちがいい・どっちが悪いを追究したいとかではない、ただ単純に、意志をもって何かを選び生きるその人たちはいったいどういう風景を見てどういう世界を生きているのだろうという思いが芽生え、気づいたらわたしは日々ヴィーガン(ベジタリアン)に関する情報を探すようになっていた。

そんなとき、美容院で何気なく読んだ雑誌で見つけた “東京ベジフードフェスタ” の文字。

「行こう!」

カラーリングの待ち時間にそそくさと iPhone のカレンダーを開き、10 月 29 日に予定をしたためたのだった。

いざ、ヴィーガンのお祭りへ

前置きが長くなったけど、そんなわけで行ってきました東京ベジフードフェスタ2016。

当日は多少肌寒かったものの幸い雨が舞うことはなく(夜にちょっと降ったのかな?)、滞在中はゆっくりと雰囲気をたのしむことができた。

代々木公園ケヤキ並木をいっぱいに使って開催されていた会場には、日本国内の小さな食品店から海外の郷土料理を大鍋でふるまうお店まで個性豊かなブースがひしめき、大変にぎわっていた。カテゴリも食品だけでなく、日用雑貨、アクセサリーなど数多く揃っていた。

中東の国々(宗教上の理由でベジタリアンが一般的である)の商品を紹介するお店もたくさんあって、お香が好きなわたしは現地で売られているというお香を買わせてもらったりもした。

取材(?)という名の食べ歩き

さて、ここにきて数々のこのおいしそうなベジタリアン料理を食べないわけにはいかないでしょう(そのために来たんだからな!!)。ということで、並木道の原宿側から順番に端までお店を眺めたあと、くるりと回って気になったお店をばんばん直撃することに。

わたしが今回食べ歩き(とお買い物)に寄らせてもらったのは以下のお店。(括弧内は運営団体さま、敬称略):

豆乳クレープ(ル・ジャルダン・ゴロワ)

卵も牛乳も使わないクレープなんだって!モチモチの生地がとてもおいしかった。

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調理用ソイミート(グリーンズベジタリアン)

“大豆で作ったお肉” ソイミート。どんな味がするんだろうと思いつつ、カレーでも作ってみようかなと思ってひとつ買ってみた。(しかしほどなくして、この場で食する機会がやってくるのであった。)

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ベジもつ煮(NPO 法人ベジカルチャーネットワーク)

ベジなのにもつ煮??と思って訊いてみたら、一般的なもつ煮込みの味付けで、もつの代わりにソイミートを使っているのだそうだ。これがソイミート!!当然もつの独特な香り(匂い)はないけれど、そのぶんすっきりといただけた気がする。ボリュームもたっぷり。

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お香(オルタードディメンション)

お店の前にさしかかるよりも先に、特徴的でスパイシーな香りがただよってきた。中東の商品を扱っているお店で、わたしはここでお香をふたつ買った。中東では炭の上に直接お香を乗せるらしいけど、アロマポット×アルミ箔でもいけるそうだ。

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おとうふマフィン、スコーン(Guruatsu ぐるあつ)

おとうふマフィンは一般的なマフィンよりももっちり!スコーンは、バター不使用だということを言われないとわからないんじゃないかというくらいにふつうのスコーンと風味が似ていた気がする。

普段営業しているお店の場所を訊いたら、なんとわたしの勤め先の前オフィス(上野)からそう遠くないところにあるみたいだ。

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ベジパエリア(ベジパエリアおじちゃん)

この写真ではわかりづらいけど、直径 1m 以上あるんじゃないかというほど大きい鍋(?)でパエリアを作っていた。魚介類が入っていなくてもこんなに奥深い味が出るものなんだねえ。すごくおいしかった。

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もっともっといろいろ食べたり飲んだりしたかったんだけど、おなかのキャパシティが限界をむかえてしまったので泣く泣く諦めた。

出店の他にも特設ステージでの音楽演奏があったり、終始なごやかな雰囲気で行われていた東京フードフェスタ2016。「みなさんも菜食になろう!」と訴えるというよりは「菜食のみなさんがもっと菜食生活をたのしめるように!」といった主旨に(わたしには)感じられたが、ヴィーガンの人たちのより自然な商品選択や食生活をそのまま覗ける感じがかえって参考になり、収穫も多かった。

ずっとそこにいたいと思うようなあたたかさのある会場を後にするとき、わたしの中の世界の敷地がまた少し広がった気がした。行ってよかったな。

ところで、会場のすぐ横で営業していた出店(たこ焼き、フランクフルト、ベビーカステラなどおなじみのやつ)は軒並み閑古鳥が鳴いている状態であった。ヴィーガンのお祭りの横でやってたらそりゃーそうなるよね。。

おわりに

Morrissey との出会い、そして今回のイベントに参加できたことはふたつのいいことをわたしに与えてくれた:

  • 自分の行動(今回の場合は、食べること)に自覚的になれたこと。
  • 新しい世界を知れたこと。

自分がしていることがどんなことなのかに向き合って、それを自覚したうえで選択することができているのであれば、それを咎めることができる人はいないんじゃないかな、というのがわたしの持論だ(もちろん、それによって苦しむ対象が少ないに越したことはないけれど)。しかし「食べる」という本当に基本的でほぼ無意識のうちに行うことについてはその思いが至っていなかったということに気づかせてもらえて、とてもありがたいと思っている。

蛇足だとは思うけれど、この投稿には他のどの人の食生活についても否定・批判する意図はないので、わたしを含めあらゆる人が自分で「これだ!」と思った好きなものを選んでいく本来の姿のままでいるべきだと思っていることを最後に添えておく。

P.S. 今回は Morrissey の音楽性についてまったく書かなかったけど、とてもすてきなのでぜひこれを機会に一緒に聴こうではないですか。わたしもまだたくさんは知らないけどね!